坂の上の雲
NHKのコマーシャルをする訳でもないのですが、ここ三ヶ月位、時間を見つけながら読み続けている「坂の上の雲」が最終巻になりました。
歴史を知らない愚かさを、今つくづく感じています。日清戦争、日露戦争が舞台の歴史小説ですがあまりにも知らない事が多すぎました。明治の正岡子規と秋山兄弟を中心とした立身出世を夢見た青年の群像に始まり、日清戦争、日露戦争の旅順、2〇3高地での言葉を絶する死闘、激凍の満州、奉天での決戦、大山巌、児玉源太郎、乃木希典、東郷平八郎、日英同盟の真相、その当時のロシア情勢とヨーロッパ、アジアの関係、バルチック艦隊、ルーズベルトによる和平講和、日本の右翼化していく社会情勢など最終巻が読み終わってないので、まだまだ知らない事がたくさんあると思います。
以前「翔ぶが如く」のお話をしましたが、明治の大きな流れを見るために、この長編二冊を個人として大変楽しく読んでいます。西郷隆盛の道徳的理想による国家論と大久保利通による欧米列強に対する現実的国家論の違いから始まる明治。そして西南の役と西郷隆盛の死を境に、封建社会から帝国的民主主義へ富国強兵軍事化していく日本、対戦国の諸事情により勝利をおさめその後、国防よりも侵略へと右翼化していく日本。そしてこの明治の反省もないまま太平洋戦争へ突入して行く恐ろしさと愚かさが、この司馬遼太郎が残した本当のメッセージではないかと考えたりしています。
そんな事を、読み終わる途中ですが思ったりしています。ですからNHKが「坂の上の雲」のスケールの大きさと国内外の諸事情をどのように表現するかを楽しみにしています。
余談ですが、明治天皇が海軍首脳の山本権兵衛になぜ連合艦隊司令長官に東郷平八朗を人選したのかと問われたときに山本は「東郷は、運のいい男ですから」と答えたといわれています。これも、明治の気骨な男を表現した面白い逸話だと思います。また脳科学者の茂木さんが、おっしゃってましたが、人間最終的に悩みぬいた結果、なかなか結論がが出ないときは、最後は自分のカンに全てを委ねる方が良い結果が出るとお話されていたのを思い出しました。しかし、このときは、国家の運命を左右する一大事です。山本はそれ相当な覚悟ではなかった事かと思います。
運について・・・。
生前、松下幸之助さんは、成功された理由をよく質問されたそうですが。決まってお話されたのが、「いろんな理由は、あると思いますが。強いてあげるならば、自分はただ、ただ運が良かったからではないかと思います。」とお話されたと聞きます。そこにあったのは、謙虚さと感謝が根本にあったから、素直に出てきた言葉ではないかと思います。
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