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想い出のマカロン日記~その14

まず、僕が考えたのが、どうしたらマカロンを身近に感じてもらえるかが先でした。

日本人が、ほっとするような味、香りのマカロンを作りたい。フランスにあるものだけでマカロンを表現していくには、時代の流れから行ってもまた僕自身の味覚に対する変化や考え方が、大きかったような気がします。

若い頃は、フランスに対する憧れや尊敬もありました。なんて素晴らしい料理やデザートなんだろう!そして日本に無い歴史や文化が圧倒するような勢いで僕を包んでいきました。

ヌーベル キュイジーヌ全盛。

料理ではボキューズやトロワグロやシャペルそしてペロー。お菓子では、ルノートルやジャン ミエ、エルグアルシュそして ペルティエそんな時代の影響を受けた僕には、フランスが全てでした。

当然、フランスの味覚や香りに近づけるのが、その頃の作り手の使命だと思ってました。ましてや、日本独特の素材をマカロンに使おうなんて毛頭その頃は無かったように思います。

ところが、僕達の仕事は、社会事情に非常に影響をを受ける仕事です。国の経済状況や労働環境、生活環境に全てにかかわってくる仕事でもあります。

僕が、 マカロンを新しい表現で日本人の味覚にあった、または日本独特ののマカロンを作りたいと思い出したのは、バブルがはじけ、住専問題や銀行、リストラが終わり、失われた10年といわれる後半のほうじゃなかったかと思います。

みんなが、不安を抱えながら歩き、少しずつですが自信を回復しはじめ、何か穏やかなものを求めたり、優しさや癒しを求めだした頃だったと思います。それまでは、海外からの影響を受け作ってたお菓子がほとんどでした。

そして、僕自身の好みの変化?あれほど好きだったフランス料理やワインが恋しいと思わなくなってきていたのです。 そうです!興味は、もっぱら和食!

そして、日本には沢山の世界に誇れる素材があるんだと気づいたのは丁度その頃です。今まで僕の中にあった、これはマカロンには使っちゃいけない!だってフランスに無いじゃないかなんて、タブーが無くなってからは、ほんとに自由な発想が生まれ出したと思います。

和素材マカロン

まず手始めは、柚子からです。懐石の椀物に入る柚子の香りが嫌いな日本人がいるんだろうか?まぶたを閉じて出汁の香りとあいまって立ち上る、潔い高貴な柚子の香りを嗅いだ時に、ああ、日本人に生まれてよかったと思えるのは僕だけじゃないはずです。

この素晴らしい素材を、今まで僕が表現していたフランス的な手法や感覚と日本人の感性で表現できたら、もっとマカロンが身近なものになるのに?

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