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想い出のマカロン日記~その13

シーホークを退社する、二年位前からだったと思います。いろんな味と香りのマカロンのフィリングを僕なりに消化しだしたのは・・・・。

従来のマカロンは、ガナッシュ、クレーム オ ブール(バタークリーム)、コンフィチュール(ジャム)が一般的でした。

どれも、日本人にとっては、パートの甘さ+フィリングとしての甘味の強いものをサンドするわけですから、食べてはマカロンの甘さから逃げるわけにも行かず、ダイレクトにフランス的な甘さを、今まで出会ったことのない変わった食感と甘さに出会うわけですから、戸惑いは当たり前です。

今でこそ、認知を得たマカロンもこの甘さが、もう一つ日本人に受けなかった理由のひとつだと思います。その頃は、低甘味料のトレハロースなどもなくて、他の方法でマカロンの甘味をごまかす作業が必要となるのです。

まずは、マカロンの食感です。

重くて、ねっちりしたマカロンは口解けに時間が掛かる為に、必然的に口の中での滞在時間が長くなり甘さを強く感じます。

また、食感が同じ物が続くと、印象が同じで甘さだけを意識しがちですので、その意識を散らしてあげないといけません。人間の味覚や嗅覚は、このちょっとした作業で、いくらでもごまかされてしまいます。

人間の味覚や食感、舌触り、歯ざわり、嗅覚は、異質なものにはすごく敏感なのですが、複数の味や香りや食感が重なると、すごく鈍感になってしまう傾向があります。

これを少しだけマカロンにも利用します。

歯ざわりは、日本人が好む、緊張感が少し生まれるはかない固さを目指します。そして次に対照的な柔らかさで、マカロンの甘さをごまかしてあげます。

このマカロンの食感も、今までのオーブンと違うコンベクションオーブンでなければ出せなかった食感です。このオーブンがなかったら、アルデュールマカロンは生まれなかったかも知れません。

次にクリームです。

基本的には、クレーム オ ブールとコンフィチュールの組み合わせです。クレーム オ ブールは、その頃はまだパータ ボンブを使うクラッシックな配合でした。今でこそ、トレハとか使いますがその当時は使っていませんでした。

コンフィチュールは、以前お話しましたが、糖度は55%です。基本は果実1キロに対して砂糖1キロですのでかなりの低糖度です。そして、新鮮な香りが残るフルーティさを強調する為に強火で早めに炊き上げます。そして煮詰めの温度もかなり浅めに炊き上げるのがアルデュールのコンフィチュールです。

そして、これをクレーム オ ブールとあわせます。これ思いついたのは、バタートーストにコンフィチュールを塗って食べるのが、僕は大好きで。少し俗っぽい発想ですが、これがなかなかです。

深く煮詰めた混沌とするコンフィチュールも美味しいのですが、これはあくまでも私見ですが、生の果実を好む日本人には、深く火の入った果実の美味しさはなかなか理解しがたい風味です。浅めに炊き上げ新鮮な風味を残す事により、日本人の味覚の感性にあったコンフィチュールを作る事で、より身近に感じる風味を目指しました。

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