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想い出のマカロン日記~その23

12月になると通常の仕事が忙しくて、ブログが滞っててしまうなんて書いておきながら今日は珍しく時間に余裕が出来たんで、この間からお話しはじめました何から影響を受けて、マカロンの香りや味のイメージに繋がったかをお話します。

今回は、料理編です。

影響の受け方も様々で、直接に発想のヒントになるものや間接的に発想のヒントになるものが有ります。今回はここら辺りを書く事にします。

まずは、バルサミコ酢からです。

この素材は、間接的にヒントを得た類です。

皆さんの想像どおりイタリアンを食べてて思いついたと言いたいのですが、残念ながらこのヒントは僕がよく行く、懐石のお店の料理からヒントを得たものです。

その料理は、軽くあぶった新鮮なカマスとピンクグレープフルーツのジュレ、あまりに衝撃的で美味しかったを覚えています。

ちょうど、夏前だったと思いますが、あまりにも斬新な取り合わせなんで非常に記憶に残っていました。

ここのご主人は、僕の和食の先生みたいな方で僕に懐石の頂き方を手ほどきをしていただいた方です。

最初に伺った時の印象は、料理は、基本に忠実で、下処理の段階から最後まできっちりとした仕事振りに感嘆したものです。

料理自体はけっして華美ではなく器とのバランスが美しくその素材の主張をするべく所をきっちりと表現されている料理です。

簡単に言うと、余計なものをそぎ落とした研ぎ澄まされた料理です。少し前置きが長くなりましたが、そこのカマスの料理がバルサミコ酢マカロンの発想の種です。

僕の悪い癖は、もしこの料理を僕が違う表現で作るとしたら、どの魚でどんな調味をするだろうなんて考えてしまう事が多々あって・・・。

これには、僕もいささかの料理経験があるのが影響しているのではないかと思います。

まず思いついたのが、さよりを軽くあぶって、同じ季節の果実のジュレを作ります。そしてジュレのベースの風味は、土佐の黒酢辺りでいかがなものかしら?と頭の中で組み立ててみます。

食べ終わって自宅に帰る電車の中とかで、今日出た料理を振り返りながら・・・そして自分なりに新たな料理を構築してみたりします。これは僕の味覚表現の訓練方みたいなものです。

そんなこと考えながら帰ります。そしていつも通りの仕事を次の日も次の日も繰り返します。ごく当たり前の仕事をしながら、食べたものの記憶や電車の中の事をふと思い出す事が有ります。

僕の職業は、菓子を作る仕事です。

料理の中から気になる要素を抜き出してお菓子に表現してみます。最初はバルサミコ酢を単純に振り掛けて食べてみます。

あんまり美味しいものではありません!!

では少量の砂糖を加えて・・・いやかなり多目の砂糖を加えて酸味が飛ぶまで煮詰めます。そして冷まして、苺のソースにします。

そして、シャーベットを添えます。新鮮な牛乳のソルベ!!

甘味はナチュラルな、菩提樹の蜂蜜がいい!!

苺は、軽くキャラメリゼした苺と生のままに苺を添えます。これでデザートが一皿完成しました。

これは、僕の頭の中で想像されたものです。この時点での試作はする事はありません。基本的には、僕が物を作るときは、味とか香り食感の確認の作業の為に作ります。

そしてこの中から、火を入れた苺とバルサミコ酢を抜き取ります。もちろんマカロンのフィリングの為です。

苺をコンフィチュールにします。

でも最初から、わかっています。このコンフィチュールではマカロンのパートに力負けするのが・・・。

深く香りや酸味、甘味の強いセミドライの苺でコンフィチュールにします。しかしこのコンフィチュールには新鮮な香りが足りません。

新鮮な香りは、酸味が入る事により表現する事が出来ます。ですからここで、バルサミコ酢は、大胆に火をいれずダイレクトに加えます。

少しつんとするくらいまで加えます。そうする事によって、バルサミコがお互いに主張しあいながらも、思いもよらぬハーモニーが生まれます。

その他には、鳩のローストのガルニチュールでキャラメリゼした洋梨に少量の黒胡椒のミニョネットは、洋梨と黒胡椒のマカロンに!

アラン サンドランスの料理本より、鴨のロースト、チョコレートソースは、ゲランドの塩とチョコレートのマカロンに!

カクテルからは、ソルティードッグ!グレープフルーツのコンフィと岩塩のマカロンに!

改めて振り返ってみると料理からもこんなに発想のヒントがあるもんだななんて思っています。

次の機会は、季節から影響を受けたものを紹介します。

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コメント

はじめまして、

突然ですが、世界的に有名なシェフが「世界で一番おいしい料理は、ベトナム料理だ!」と公言していたのを、何かの本で読みました。

なんでも、長い間中国とフランスの植民地だったベトナムでは、両国の食をヒントに、ベトナム独自の食文化が発達したそうで、それが、世界一おいしい料理の理由だそうです。

私は、恐縮ながら、アルデュールのマカロンを食べたことありませんが、色々な分野からヒントを得て作られたsyoudaiさんのマカロンを一度食べてみたいと思いました。

これからも、マカロンの概念を超越した“新しいマカロン”を作ってください。ちかじか絶対食べます!

投稿: nao | 2006.12.13 11:30

naoさん、ご訪問ありがとうございます。
いろいろな国の料理のいいところをミックスした料理は基本に忠実な伝統の中に個性がありますよね。
そんなマカロンづくりを心がけたいものです。
お電話やFAXでご注文を受け付けておりますので、ぜひこの機会にご賞味ください。

投稿: syodai | 2006.12.20 10:26

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