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2009年9月

南州翁遺訓 2

西郷が残した敬天愛人についてご紹介します。二十一条の方が、より深く敬天愛人について述べられていますが、ここでは、シンプルな二十四条をご紹介します。

遺訓二十四条

 道は天地自然の物にして、人はこれを行うものであれば、天を敬するを目的とす。
天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也。


 道というのは、この天地のおのずからなるものなり、人はこれにのっとって行うべきものであるから、何より先ず、天を敬うことを目的とすべきである。天は他人も自分も愛したもうから、自分を愛する心をもって人を愛する心が肝要である。 

「道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬する目的とす」と西郷がいっている中には、偉大な存在に畏それ(おそれ)を抱くというニュアンスが含まれています。偉大なる天は公平無私ですべて愛し給うはずだから、我々も自分を愛する心をもって人を愛せねばならないといってるわけです。

己を愛する心をもって人を愛せよというのは、先に取り上げた二十六条の「己を愛するは善からぬことの第一也」と、一見矛盾するような感じがしますが、そうではありません。ここいう愛は、自分自身を大事にするような自己愛ではなく、すべてのものに慈しみと愛の心をもって接する他者への愛を指しています。

 これは、商売も同様です。ともすれば我々は、自分の金儲けに都合の良いように考えてしまいますが、そうではありません。江戸時代に商売道徳を説いた石田梅岩「実(まこと)の商人は、先も立ち、我も立つと思うなり」といってるように、相手も上手くいくように、儲かるようにするのが、商売の鉄則であり極意なのです。

自分が儲けたい思うのであるのなら、商売をしてる相手、お客さんが儲かり喜んでもらうようにしてあげる。それは、必ず自分の身に帰ってくるものです。「我を愛する心を以て人を愛する也」という西郷の言葉は、商いをするうえでも本当に大事な事だと思います。

いつの時代も変わることのないフィロソフィーがあると、僕は信じています。例えば、授業参観で行く小学校の教室に掲げられているの子供たちの目標は、ありきたりでシンプルなものです。でも、大人になっていくほどこの子供たちでも分かる、人としての正しい生き方が、いかに難しく感じる事が多々あります。人に優しくしなさい。思いやりを持ちましょう。明るく、朗らかに、元気よく。などが、人を不愉快にしない入り口みたいなものだと思います。でもこれがなかなか出来ない。しかし、子供の頃の今月の目標が大人になってからの正しいフィロソフィーへ繋がっていくのではないかと思っています。ですから、高邁な哲学とか理想ではなく、日々の生活の中で生まれる誠実さとか思いやり、優しさ等と思想の大元は、変わらないものだと思っています。それが人として、あたりまえのことに筋を通す事ではないかと思っています。またそうありたいと思っています。

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南州翁遺訓 1

今日もお菓子とは、関係ない話になります。
昨日、のブログをアップした後で、少し「南州翁遺訓」を紹介したくなりました。

西郷隆盛が生前、私学校などで講話がベースになったものを庄内藩の方々によって編纂され残されたものです。
西郷さんの実績については、省きますが、現代にも通じる、いやこういった混迷の時代だからこそ、学ばなければならない、プリミティブな教えがあります。

ただ、こうやって紹介します僕自身は、論語読みの論語知らずですのでご了承ください。

最近読んだ本の中でも、感銘を非常に受けましたので、ご紹介しておきたいと思います。
著者は、京セラの創設者稲盛和夫名誉会長です。

「敬天愛人」

西郷さんの教えの中でも最も有名な言葉です。本人も好んで、この言葉を書にしたためられたそうです。本来は、もっと長い文章ですが、重要と思われるところを紹介しておきます。

遺訓二十六条

己を愛するは、善からぬことの第一な也。修行の出来ぬも、事の成らぬも、過ちを改むることの出来ぬも、功にほこり驕慢の生ずるも、皆自ら愛するが為なれば、決して己を愛せぬもの也。

自分を愛すること、すなわち自分さえよければ人はどうでもいいというような心は、最もよくないことである。修行の出来ないのも、事業の成功しないのも、過ちを改めることが出来ないのも、自分の功績を誇り高ぶるのもみな、自分を愛することから生ずるものであり、決してそういう利己的なことはしてはならない。


人は、自分が一番大事です。自分が一番かわいい。だから自分が傷ついたり、損なわれたりすることを最も嫌います。そしてともすれば、自分は能力があり、仕事が出来るのだといって自分を褒め天狗になる。それを西郷は「己を愛する」という言葉で表現してるわけです。

名声を欲張る、地位を欲張る、財産を欲張る、それらは西郷がいうように、すべて自分を大事にするということに端を発し、最も良くないことです。

また、事が成らないのも全て、そのように己を愛しているからです。自己中心的な「自己愛」が働き、自分だけ良ければいいと考え、行動するから、他人の協力が得られないのです。

自分が自分が、という利己ではなく、相手のため、従業員のため、社会のためと、考え方を変えれば、他の人からの信頼を得られ、事業だって人生だって、必ず上手くいくはずです。

さらには、「他によかれし」と考え、そのような行動に努めていけば、周囲にとどまらず、天も味方し「天佑」を授けてくれる。だからこそ事は、成就するのです。

これを読んだとき、愕然としました。自分が恥ずかしくなったのも事実です。西郷隆盛は、無私の人であったからこそ、言えたのだと思います。そして僕自身もこうありたいという思いが強くなったものでした。

何か、お菓子とは全然関係ない話が続いていますが、お付き合いいただいてありがとうございます。次回は「敬天愛人」の本筋をお話します。


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余計な話。

たまに、聞かれるのがお休みって何されてるんですか?
なんて聞かれます。
きっとお休みとかは、家でケーキとか作ってるとか思われがちだと思います。
だいたい僕は、インドア派なんで、あんまり家から出ません。

日長な一日を静かに過ごしたいんで、ほとんど本を読んで過ごします。
だいたい、二、三冊の本を掛け持ちします。

どんな本読むんですか?とか聞かれれます。
恋愛小説です。なんてことはなくて、たいていが、歴史小説経営とか哲学系ものが多いです。皆さんが読まれるような、文学関係の本は、ほとんど読みません。芥川賞とか直木賞の本とかも惹かれません。ですからあんまり、一般の人が聞いても面白くない本です。

この間まで、司馬遼太郎の「翔ぶが如く」読んで長編にこりもせず、今は、「坂の上の雲」を読んでます。あわせて、「西郷南州翁遺訓」を読んでます。これが終わったら海音寺潮五郎の「西郷隆盛」を読むつもりでいます。これもまた長編です。家族に言わせると、どうも、明治生まれのおじいさんが我が家にいるなんて事を思っているようです。

今流行の言葉で言うと「歴女」男なんで「歴男」が正解ですね。


ここ最近、なぜか急に幕末から明治全般に掛けてしょうもない位、知りたくなって手当たり次第、読んでます。
あの、幕末から明治へのエネルギーが、僕は、大好きです。また社会の教科書には、出てこなかった真実があったり、読んで驚く事のほうが、いっぱいです。特に、西郷、大久保、木戸の確執から西南の役勃発前から終息は、こんな事実が隠されていたとは、まるっきり知りませんでしたし、正岡子規と秋山兄弟をからめた日清、日露の事実も情けないぐらい知りませんでした。このエネルギーのまま大正、昭和へと突き進んでいった国の危なげな方向性がおぼろげに、見えたりもします。歴史小説は、その当時の人々の哲学や性格が、決断を下す時にどのように影響があり、自分に照らし合わせると、あたかも本の中で決断を迫られているようなシュミレーションを楽しむ事が出来ます。このあたりが、現代でもほとんど変わることのない人間の性質と重なり合って興味を覚えます。

ですから、映画なんかも、歴史物か人間の欲望とか醜さなんかが良く出てる裁判物をやはり好んで観ます。その時々において、人の心がどのよう変わっていくのか、醜いほうにも美しい方にも。その葛藤が好きです。ついでに、恋愛映画は、ほとんど観ません。まったく観ないわけではないのですが、ただ好きな映画はあります。古い映画ですが、「イングリッシュ ペイシェント」大好きです。

今日は、ほんとに余計な話に終始してしまいました。
なんで、こんな話になったんだろう???
たまには、いいか!お菓子以外の話!!

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マカロン クロッカン

Lask

簡単に言いますとマカロン版ラスクです。


パート ド カカオの入ったショコラのマカロンコック!!
グラニュー糖とほんの少しのシナモン
ほんの少しのカリブ海沿岸のカカオ豆
ほんの少しのゲランドの自然塩

肩の力が抜けたものを、たまには作りたくなります。
カリカリとしたクランキーな食感と甘塩ぱく、楽しいカカオ風味のラスクです。

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秋冬マカロンコレクション④

Creation:クレアシオン[新たに創造したもの]
毎年、春夏と秋冬でマカロンのコレクションを発表させて頂いています。その時々の時代変化や新しい素材との出会いや翻弄から生まれる、アルデュール オリジナルのマカロン。
目指すものはどこにもない味覚の価値観の創造です。


205jasmin

ジャスミンティとグリオット
ジャスミンの花の香りとグリオット、そして隠れた香りはダマスクローズ。


206matsunomi

竹炭と赤すぐり
黒のマカロンコックで視覚から訴えた遊びのあるマカロンです。酸味と香りの強い赤すぐりは鋭角的で刺激的な果実です。


207caramel

松の実とカラメル
スペイン産の松の実は、繊細で甘く、僕らが通常思うような松の実とは風味が全然違う。これをカラメルのクリームで包み、ほんの少しのココナッツで調味した。まだまだ僕が知らない素晴らしい素材は世界中にある。


208higokuri

キャラメルガナッシュ
少しだけ、引きのあるキャラメルの良さを残したガナッシュを作れないかと考えたものです。甘味と苦味と、ほんの少しの塩味が懐かしくも感じる。


209kinkan

金柑とホワイトチョコレート
宮崎産の金柑は、皆さんがご存知の通り、糖度と香りの充実した美味しさです。これにホワイトチョコレートのガナッシュを加え、優しい甘さと苦味の表現をしてみたかったのです。矢車菊が上品な青です。


210sencha

煎茶とラムレーズン
レーズンのバターウィッチのようなものが、マカロンで作りたくなりました。でもありきたりの表現ではなくて、アルデュールらしいものが作りたい。ただの思いつきだったかもしれませんが、煎茶の風味が違和感なくとけ込みます。


211casiskiichigo

カシス・木苺・ブラックベリー
カシスをベースに木苺とブラックベリーのコンフィチュールを仕込んでみました。これにほんの少しのヴァイオレットの香りを付け加えてみることで今までにない香りの交錯が生まれました。


212chocolanowal

ショコラノワール
西アフリカ・サオトメ島からのオーガニックチョコレート。荒削りながら野性的ないぶしたような香りが特徴のチョコレートを紹介します。中にカリブ海沿岸のカカオ豆のチップが入っています。

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TAHITI VANILLE

Vanilla1

タヒチ産バニラの話

今回から、お目見えしています。バニラのマカロンに使っている
バニラ ビーンズのお話をします。

アラン アベル氏のバニラ
タヒチのバニラ事業は、100年もの間、生産者が収穫だけを行い加工業者がそれをまとめて乾燥していました。
そのために一般的にタヒチ バニラといえば、多数のプランテーションから集められた異なる産地のバニラが混在するという状況でした。

しかし、アラン アベル氏のバニラは、カカオやワインのように、産地によって特徴の異なるバニラを産出しようと、10年もの間、プライドと情熱を注ぎ開拓開発に取り組んで出来上がったものです。それが、今回からアルデュールで使用します。ライアテア島でココナツの椰子を堆肥に太陽の光を燦々と浴び育ったシングルプラント(産地限定)バニラです。

メキシコ高原でアステカ族によりカカオと一緒に発見されたバニラは、カカオとの蜂蜜とのマリアージュにより神々の飲み物として生まれ珍重されました。その後インド洋のいくつかの島に渡ったバニラは、姿かたちを少しづつ進化させ、太陽王ルイ14世を熱狂させたバニラへと繋がっていく。

そして、今回幸福にも出会ったのが、ライアテア産のバニラです。

Vanilla2

僕は、このバニラの芳香が大好きです。特徴は、干しぶどうとチョコレートの香りをベースに若干の八角の香りとキャラメル香が特徴です。届いたばかりのバニラの袋を開けて匂いを嗅いで見ると、軽いめまいを覚えるような覚醒的な香り。指先に付いたバニラの香りは、余韻が長くいつまでも続く甘い香りは、幸福な気持ちにしてくれます。この特徴を活かすようなバニラのマカロンです。

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秋冬マカロンコレクション③

Creation:クレアシオン[新たに創造したもの]
毎年、春夏と秋冬でマカロンのコレクションを発表させて頂いています。その時々の時代変化や新しい素材との出会いや翻弄から生まれる、アルデュール オリジナルのマカロン。
目指すものはどこにもない味覚の価値観の創造です。


201pistatio

ピスタチオと青りんご
青リンゴの強い酸味と香りを、アーモンドとピスタチオの風味で包みました。


202houjicha

焙じ茶と柚子餡
懐かしく誰もの記憶の片隅にあるような味覚表現を試したかった。ありきたりの素材、それも日本人の感覚です。


203ichigo

苺と赤ワイン
苺を赤ワインで軽くコンポートにして、アヴァンデセールでお出ししていました。これをマカロンで表現したくなりました。


204jinger

生姜とオレンジ パッション
生姜の辛味と風味を太陽の香りとマリアージュさせます。寒い時期に心から温まるような気持ちになります。


.... 次回へ続く

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秋冬マカロンコレクション②

Classic クラシック[アルデュール スタンダード]

アルデュール開店から人気の高いものに、若干の新作を加え
今回クラシックとしてのカテゴリーをつくり独立させました。


104citrus

シトラス
レモンのやさしい酸味と香りの膨らみが口の中で広がっていく。酸味より香りと口溶けを優先した仕上がりです。


105casis

カシス
フランボワーズ、パッション、カシス。フランスの酸味の果実の代表のようなもの。その当時、このカシスのマカロンに踏み込む自信がなかった。日本人が味香りを想像し難いもののような気がしていたが、それは杞憂に変わった。今も作り続ける人気商品です。


106captino

カプチーノ
コーヒーの苦味と香り、そしてミルクの豊かな香りとシナモンの筋の通った香りがすぎていく。

次回はCreation:クレアシオン[新たに創造したもの]をご紹介します。

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秋冬マカロンコレクション①

Classic クラシック[アルデュール スタンダード]

アルデュール開店から人気の高いものに、若干の新作を加え
今回クラシックとしてのカテゴリーをつくり独立させました。


101vanilla

バニラ ナチュール
タヒチとウガンダ産バニラとホワイトチョコレートの香りが豊かなガナッシュ


102maple

メープル
自然な甘みと独特な香りが持ち味。砂糖自体の清涼感は、和三盆糖に近いような気がします。なのでややもすると輪郭がぼやけてしまいがちです。ピーカンナッツとあわせることで、この甘みと風味が活きたような気がします。


103kiichigo

木苺
フランスでも極一般的にみられるマカロンです。しかも大抵は、コンフィチュールのみのフィリングですが、コンパウンドバタークリームをあわせることで、とてもシャープでより爽やかな印象に変わりました。

次回に続く

クレアシオン(創造的な)の画像のアップは、しばらくお待ち下さい。


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9月催事のお知らせです。

東京駅グランスタ     9月末日まで
ららぽーと船橋       9月末日まで
丸井北千住店       9月9日から9月15日
伊勢丹松戸店       9月16日から9月22日
マカロンジェリフェ4個入りを限定100セット販売いたします
京都大丸          9月30日から10月6日
肥後栗のパウンドケーキ限定50本と栗のマカロン等                   名古屋名鉄百貨店    9月30日から10月6日

お近くにお寄りの際は、是非お立ち寄り下さい。

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メッセージありがとうございます。

ここ最近、忙しくもありブログへ頂いたメッセージの返事がおざなりになった事を反省しながらも日にちだけが過ぎてしまいました。


あっという間に、夏が過ぎ去り秋になってしまったような感じです。
たくさんのメッセージありがとうございます。東京も含め各店舗において、お褒めの言葉やお叱りを頂き本当にありがとうございます。


今後とも気がかりな事等、ございましたらメッセージを頂ければ、従業員の励みになってまいりますので気兼ねなくコメントを寄せていただければと思います。またあわせて商品に付きましても同様に思っております。


それから、わざわざ本店にお出でのお客様。本当にありがとうございます。
なにぶんと地の利の不便さがあり、気楽にに立ち寄れる場所ではありませんので、こちらが恐縮してしまいます。
特に、福岡県外からわざわざお見え頂くお客様、本当にありがとうございます。


最後にシロップについての質問がありましたので、お答えします。

本来ならば、全店舗発売とさせていただきたいのは、山々なのですが・・・。
現在のところ本店のみの販売とさせていただきます。
これは、全ての商品についての小代の共通するフィロソフィーなのですが、まず第一に素材の産地の確かさ、それにともなう風味の確かさと新鮮さ、その果実が加工に適するかどうか?安定供給が出来るか?と言うことを優先に考えています。ですので、本店のみの限定の発売商品は、希少価値とまでは、 言えませんが・・・。テスト販売と思って頂ければありがたいと思っています。

余談ですが、パッションフルーツ、甘夏、ライチとダマスクローズを、小代が気に入っています。


そしてこのような商品から、次のステップに繋がるアルデュールの方向性も見えるのではないかと思います。

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