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2011年5月

2011春夏マカロンコレクション 薔薇とライチ

ローザス

ライチダマスク ローズの香りは同質の香りだと思います。
どちらもフェミニンな香りで甘く漂う香りが特徴です。                                                                                                ダマスクローズのマカロンも開店当初からずっと作り続けていたものです。
構成はピンク色のマカロンコックにダマスクローズの花弁とグラニュー糖を合わせマカロンコックに
振りかけたものにバタークリームにダマスクローズのコンフィチュールを合わせたものをサンドしたものです。
その当時まだ薔薇のお菓子やマカロンを作るところもあまりなく、今と違ってダマスクローズに関する情報や
素材も少なく本来のダマスクローズの香りを表現するのに非常に苦労したのを覚えています。

基本的に、僕はお菓子に香料を使う事をしない事を信条としていますので、単純にそれなりのバタークリームや
ガナッシュに薔薇の香料を使えばほんとうは、なんら苦労する事もなく出来たかも知れませんが、その当時の
粗悪な香料ははなから使う気はしませんでした。かなりの薔薇関係の素材を試した結果、やっとそのメーカーの商品にたどり着きました。イメージした香りが僕の前に広がりました。それからは、マカロンだけではなく、
コンフィチュールやジュレ、シロップ、キャラメルムーなどに薔薇は頻繁に登場するようになりかなりの薔薇商品が店頭に並ぶようになったきっかけでもありました。そしてジェラートにも近々登場する予定です。

薔薇の香りは、ややもすると香水をイメージする香りが先立ってしまいますので充分注意しなければなりませんでした。まして日本人は薔薇の香りを食べるなんて習慣はありませんでしたので、最初はずいぶん香りを抑えてのスタートでした。それでも当時は衝撃的なマカロンの登場だったのではないでしょうか?

そして今回のコレクションで登場するのが、ホワイトチョコレートとライチのガナッシュです。今回のコレクションで
登場するマカロンのガナッシュは、香りをよりクリアーにするために生クリームやバターは使用せず果実のピューレだけで作り上げています。そうすることによって香りが濁らず残したい香りが素直に出ますし、またより軽く仕上がります。ライチのガナッシュにシンプルにロゼ色のダマスクローズのコンフィチュールを絞り、白のマカロンコックとルージュ色のマカロンコックをかぶせ金銀のラメでおめかしします。
ライチの香りとダマスクローズの香りの重複が軽やかにトーンを刻むような気がします。


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余談ですが、アルデュールで使用するダマスクローズのコンフィチュール、ペタル(花弁)、オード ローズ(バラの花水)など全てブルガリアの薔薇の谷から届くものばかりです。ダマスクローズローズの収穫はちょうど今頃で
2週間で摘み取りの時刻は、午前4時くらいから午前中いっぱいくらいです。薔薇は陽にあたると香りの成分が
消えてしまうために早朝からの過酷な作業が始まります。そしてその日のうちにローズオイルに蒸留加工され、
ローズオイルとローズウォーターに生まれ変わります。また1kgのローズオイルを作るのに約3.5トンの花弁が必要になります。このオイルがシャネルやディオール、ティファニーなどの薔薇の香水の原料となります。


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ちなみにラヴェンダーオイルが1g200円に対しダマスクローズオイルは1g5000円です。希少価値が違うのが
よく分かります。薔薇はクレオパトラが愛しライチは楊貴妃が愛したものです。やはり古代からこの気品のある
香りは女性を虜にしたようです。

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2011春夏マカロンコレクション 豆乳と金胡麻

豆乳と金胡麻

胡麻のマカロンはオープンからずっと作り続けていたものです。アルデュールのクラッシックのカテゴリーに入る息の長い商品です。やはり同じ商品を作り続けて行くと中にはその時代から取り残されるもの
も出てきます。胡麻による表現も9年前では、胡麻のペーストとバタークリームを単純に合わせただけの
表現方法が、あの当時の僕の創造性の限界だったのかもしれません。

僕の知人で飲茶の作り手で、日本一ではないかと思う方がいらっしゃいます。
その方の仕事に対する姿勢や真摯な取り組み方に非常に感銘を受けていました。職人は、手が物語ると
言いますが、今までにいろんな方の手を見てきましたが、その方の手を見て初めて手が語るという事に
気づいた気がしました。何十年に渡ってひたすら愚直に一途に飲茶を作り続けた手はとても大きく無骨で
飲茶を作る為のような手でした。その方の作り出す飲茶はどれも素晴らしく、鮮やかに記憶に残っています。

以上余談になりましたが、飲茶で食べる胡麻団子の香りで口中がいっぱいになるようなアジア的な
美味しさが表現できないかと思って作ったものが今回のマカロンです。

金胡麻は、深く香ばしさが立つまで炒りあげます。今回は、表面にもかなりの量の胡麻を
振りかけますが、マカロンコックの中にも表面とは違うアクセントとして入れてあります。
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次にセンターになるガナッシュは、フランスペック社ホワイトチョコレートを使います。
アルデュールのホワイトチョコレートは、すべてペックのものです。これと宮崎県椎葉村の
盛田屋の豆乳
でガナッシュを仕上げます。ほんの少しのゲランドの塩とともに。
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胡麻の香ばしい香りが、やさしい豆乳の風味とゆるやかに繋がります。

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2011春夏マカロンコレクション 煎茶とパッション フルーツ

煎茶とパッションフルーツそして木苺


もう10年以上も前からこの題材に取り組んでいるような気がします。
最初の取り掛かりは、抹茶のビスキュイとパッションフルーツのムース、木苺のムースでした。
パッションフルーツと木苺は非常に相性のいい組み合わせです。デセールとしてもチョコレートで薄い板状の
フィヤンティーヌを作りその間に軽いバニラ風味のクリームと木苺を合わせ、パッションのソースを添えたものを
レストランで出していました。ですから20年以上も前からこの相性の良さがとても好きでした。

まず、はじめの試みは、パッションと木苺の組み合わせにピスタチオのビスキュイを組み合わせました。
これは、本当にフランス的な組み合わせで違和感もなく食べ手に届きます。しかし何か面白みに欠けます。
当たり前すぎる美味しさでした。その時ただ単純にピスタチオのグリーン色を見ていて、抹茶との組み合わせは
どうだろうと、その当時はよからぬ考えが浮かびました。というか遊び心みたいなものです。僕自身がかなりの
へそ曲がりで人がやっているようなものが今でも嫌いです。そんな挑戦的な味の組み合わせをしてみたいと
思いついたものです。パッションと木苺は、まさしくフランスの香りです。その真逆にある抹茶との組み合わせで
日本人の持つ味覚を刺激したかったのが本音だったかもしれません。

マカロンコックは、まず抹茶でのテクスチャーを想像してみました。少し甘い香りと抹茶の苦味が、パッションと
木苺の香りにかき消されてしまうことは、容易に想像できました。このマカロンは、繊細な日本的な響きより
少し粗野な表現をしてみたいと思っていましたので、煎茶の持つ粗い香りと苦みが日本人の生まれ持った
嗜好に素直に入り込むのではないかと思いました。
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パッションフルーツは、今までバタークリーム、クレーム ムースリーヌなどをマカロンには使って来ましたが、
今回はホワイトチョコレートとパッションフルーツのガナッシュで芯の通ったシャープな明るい太陽のような香りを表現します。

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最後に木苺のコンフィチュールです。出来る限り新鮮な果実香の残るように、糖度は、少し高めに強火で炊き上げます。最後はレモンで調味します。

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2011春夏マカロンコレクション ペーシュ メルバ

ペーシュ メルバ

ピーチ メルバの呼び方の方が皆さんご存じだと思います。

料理人オーギュスト エスコフェがイギリス ロンドン サヴォイ ホテル
にてオーストリアのオペラ歌手ネリー メルバの為に作ったあまりにも有名な
桃のバニラ風味
のコンポートとバニラのアイスクリームそして木苺のソースアーモンドスライス。その当時としては本当に華やかで斬新なデザートだったのではないかと思います。
僕も若い頃、レストランのパテシェをやっていた頃によく作っていたものでした。
そしてその当時、当然ながらエスコフェの影響を受けたヌーベルキュイジーヌの料理人でミッシェル ゲラールが出版した本に桃のコンポートとサンテミリオンのグラニテと
野苺
が掲載されていて非常に衝撃を受けました。
そのデザートの優雅さに満ちた表現に圧倒されました。その当時エスコフェのピーチメルバをコピーするしか能がなかった僕は、こういう風に自分の感性で自由に発想できる事がどんなに素晴らしいことかをミッシェルゲラールから学んだような気がします。今でもたくさんの料理人が出ていますが、彼ほど料理を
優雅に表現した料理人はいないような気がします。


話が横道にそれましたが、この古典デザートの本質を外すことなくマカロンで自由に表現したいと思いました。
素材としてまず桃は、ホワイトチョコレートと白桃のピューレ、2種類の桃のリキュールでガナッシュに仕上げます。
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木苺は、苺、グロゼイユと共にコンフィチュールに仕立てます。
本来は木苺のみですが、香りの重複、酸味のニュアンスをうまく出したく他の素材で調和を試みました。

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アーモンドは、マカロンコックにももちろん使ってありますが、木苺の深紅を表現したくルージュ色のアーモンドでマキアージュしました。

今まで何回もその季節において桃のお菓子やマカロン創ってきました。数えきれないほどの新しい表現を試みて来たのではないかと思います。桃のお菓子は、桃の果実とはまったくかけ離れた香料に近い香りで表現しないと桃らしく感じませんでした。自分自身が持つ桃のイメージとは似ても似つかないものでした。
単純に桃をタルトに乗っけたりするようなお菓子ではありませんので、桃は素材として本当に難しいものだと思います。

今回は、桃を一旦デフォルメするという表現方法をとり、それにより美味しさを表現することにより、桃の鮮度感の表現より桃と木苺と他の素材の調和を表現する事にしたのです。

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2011春夏マカロンコレクション ティラミス

ティラミス

誰でも知ったお菓子をマカロンで表現してみます。コーヒー、マスカルポーネ、
ココア
がおもな素材になります。
初めて食べたのが25年くらい前でしょうか?あるイタリアンレストランでデザートに頂いた時の印象はこんな
感じでした。

マスカルポーネのどことなく頼りなげな軽いクリーム。コーヒーの深く焦げた香りと対比する水っぽいシロップを
吸い込んだ存在感のないビスキュイと強烈なサンブーカのアルコール香。ただなんとなく、
ぐちゃっとした食感。そしてココアの少し埃じみた乾いた香りが、僕のティラミスの印象でした。特に美味しさは、感じませんでしたしこのお菓子を作りたいなんてその当時は思いもしませんでした。

今振り返れば、その当時まだまだ僕の食の経験とレストランを楽しむという喜びが浅く、このお菓子を理解できなかっただけでした。その当時はまだまだ、料理自体もカロリーが高く、ソースも重く、またそれに合わせてイタリア人が客の中心でしたのでワインもかなり飲まれていたのは確かだと思います。ですからデザートもかなり甘く重いのが多かったのが事実です。しかし唯一軽くて胃に負担のかからないデザートがティラミスだったかもしれません?ですからその当時、お酒はあまり飲みませんし肉体労働中心の僕がこの物足りないようなお菓子を美味しいと思うわけがありません。

前置きが長くなりましたが、年齢を重ねていないと分からない美味しさがあるのではないかと思います。
その当時そのレストランにご一緒させて頂いた方は、30代後半だったと思います。ティラミスなる新しい、これから流行するであろうお菓子を僕にせっかく勉強の為に連れていって下さったのですが、フランス菓子がこの世で一番おいしいと思ってた僕に、美味しいかと聞かれニベもなく美味しくないです。と答えてしまった事を反省しながら今、あらためて思い返しています。

美味しさの表現はほとんどが経験知だと思います。その当時は、今ほどの経験知はなく将来ティラミスを
マカロンで表現するとは思いもしませんでした。
ティラミスをマカロンで表現するにあたり重視したのが、マカロンコックの軽やかさとショコラとコーヒの風味と
マスカルポーネの少しおぼろげなで淡く儚いクリームでした。
誰でも知っているお菓子をマカロンで表現する難しさは楽しいものです。
人それぞれにそのお菓子の印象は違うものです。
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それを理解した上でのアルデュールらしいティラミスのマカロンが完成したのではないかと
思います。
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マキアージュは、金粉と銀粉のラメで少し現代的に仕上げました。

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グリーン キング無花果

唐津の富田果樹園に7月になって収穫の時期を向えるグリーンキングの成長を見に行ってきました。

富田さんが作る無花果の中でも一番早く実るグリーンキングは、収穫時期は、約2週間。普通の無花果が約2か月程ですから果実の最良の時期の短さに驚いてします。
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無花果の話を少ししますと、地球上に約600種類の無花果があるそうですが、日本に根をおろした無花果は、蓬莱柿とドーフィン種の2種類くらいしかありません。両種とも外来種ですから日本本来の無花果は野生の小さな無花果しかありませんでした。
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日本で無花果が根付かない理由はいろいろあると思いますが、アラビア生まれの無花果は、乾季に強く日本のように多湿な環境にはあまり向いていないのではないかと思われます。ですから日本で新しい品種の栽培に挑戦する事がいかに困難を極めるかが想像できます。ちなみに栽培が一番むずかしいと言われるビオレソリエスは、富田さんは13年をようして現在の栽培方法を確立されたと言います。
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ビオレソリエスの実と芽
冬には、流木のようだった無花果の木は、初夏にはほとばしるような生命力をみせる。


話を元に戻しますが、写真をごらんいただくと分かりますが、生き生きとした葉と力強い果実は、生産者の愛情を一身に受けたものです。無花果の環境に良しとされ理路整然とした畑を見れば、富田さんの無花果がいかに手間暇かけて育てられたかよく分かります。ここまで育ては、あとは自然に任せるしか方法はなく収穫までの天候が、最終的に無花果の質を決めるわけですから、願うしかないのでしょうがここでも人間の無力さを感じます。農作物ですから、人間が努力した過程の努力や環境は、最後は天祐に任せるしかないのも現実です。

とは、言いながらも最高の美味しさの時期を待つ続ける楽しみもあるのです。無花果のコンフィチュールやソルベや自家製のドライ無花果で作る焼き菓子などに変わり皆さんにお届けできればと思っています。

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小さな、ちいさな芽と実からも力強い生命を感じる

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ジュラスの催事開催中

RKB探検!!九州フェア 岩田屋本館7F
大催事場にて開催中です。
アルデュールの新ブランド・ジェラートショップジュラスは、
通常、東京駅グランスタダイニングのみでの営業です。
5月5日までの期間限定の出店ですので、ぜひお待ちしております。

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コンセプトは『自然との共生』
人にやさしいナチュラ ルフードを軸に、ジェラートや
焼き菓子を提供していくブランドを目指しています。


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ジェラートは、今回は12種類ご用意しています。

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ラスクやマカロンも販売中です。


お近くにお越しの際は、下記店舗にもお立ち寄りください。
東京駅1F グランスタダイニング
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-9-1
JR東京駅構内1階 ノースコート内
ジュラスグランスタダイニング店
TEL : 03-3212-4028
営業時間 6:30~22:30
定休日 なし

皆様のお越しを心より御持ちしております。

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